|
 |
79 |
 |
大昔に入手した標本は、今観ると、不思議な感覚にさせられます。どうしてかなと思うに、昨今市場でまったく見かけないタイプだからなのでは? ...このガーネットの母岩付き標本も、そう思ってしまう標本の一つです。白い母岩は珪線石(けいせんせき)とのことです。入手当時の感想は、何を隠そう、はっきりと憶えているのです。なぜなら、通販で届いた現物を観て、心底がっかりしたからです。しかし今観ると、とっても魅力的に思えます。不思議現象パート2というか、長い時を経ると、価値観が180度変わることもありうるという好例です。ラベルを見ると、産地がブラジルとありました。その点にも意外性を感じました。大きめの母岩に、大小2個の多面体結晶が埋もれています。カラーは一見黒っぽく観えますが、強い光をあてると部分的に暗赤色に観えます。鉱物標本の蒐集を始めたばかりの初心者のころは、ガーネットというと、この標本のような鉄ばん柘榴石(てつばんざくろいし)が一番の理想像だったのですが、ガーネットにもいろいろ種類があることがわかった今でも、憧憬をおぼえる種です。
|
|
|
|