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無色の水晶に、オレンジ色のチンゼン斧石が付いている標本です。形状はいわゆるロゼット状になっています。ロゼットとは、バラの花びらのような感じになっている様子をいうそうです。色のコントラストがキレイかなと思うものの、いかにも標本といった風情をかもしています。かなり昔に入手した標本で、今だったら、手を出さないと思います(汗)。昔は前述のような、「いかにも標本」といった標本に熱を上げていました。この標本は、あの頃の初心を思い出させてくれるので、その意味で、私にとって、大切な一品です。普段はひきだしのなかにしまっていて、目に見えないと心から消えていくという諺(ことわざ)どおり、見た目重視で標本を求めがちです。それは悪いことではないとは思いますが、鉱物標本のなにが好きで蒐集してきたのかと自問したら、見た目の美しさより、標本らしさがまず第一だったワケです。都合のいい解釈かもしれませんが、過去の自分は、標本が標本らしくありさえすれば、その標本は美しいと思えたのです。
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